コインパーキングの不正使用

 コインパーキングにもさまざまなタイプのものがあります。自走式のタイプから、立体タイプのものまで、自分が知るパーキングを思い浮かべてみても、実に多様であると感じることでしょう。コインパーキングのほとんどが「時間貸し」です。それは「駐車時間」に応じて料金が発生するという、シンプルなものです。ですが、このシンプルな料金の「カウント方法」は様々です。駐車場の入り口にバーと発券機があり、チケットが発券された時点から料金カウントをはじめ、出庫時にそのチケットを清算機に通して清算する形のパーキングはよく目にすると思います。

そのようなパーキングでは、駐車可能台数と実際の駐車台数をチケットの発券と清算で管理していますから、満車になった場合はすぐにわかるようになっています。満車の状態ではチケットが発券されず、バーも上がらず、入庫することができないので、満車になってしまったパーキングの敷地内で右往左往するようなことはありません。そして、出入り口も決められたところにあり、バーの開閉によって入庫、出庫が可能となるため、不正利用も巧く防止されているといえるでしょう。

続いてよくあるのが立体式のパーキングです。これは入庫と出庫に係員の手を借りる必要があることがほとんどです。そのようなパーキングではまず入庫時にバーが開閉するゲートでチケットが発券され、そのチケットを参照しながら係員が立体格納庫のオペレーションをすることが多いです。そして出庫時は事前清算で、清算が終わった車両が係員の手によって出庫することができるのです。このタイプのパーキングでも不正使用は実質できません。何より係員が常駐していることで、不正利用の抑止力となっているのです。

そして、もっともよくあるタイプのコインパーキングが「踏み板式」のものです。バーキングの敷地への出入り口には特段ゲートなどは設けられておらず、車の重量を感知する「踏み板」を踏み越えて所定のスペースに駐車するタイプのものです。駐車時にはその踏み板は車の底部に接するまではね上げられ、清算をしないと出庫することができなくなります。このタイプのパーキングには係員は常駐していないことが多く、踏み板の仕組みと清算機があれば、一台分のスペースからでもコインパーキングと化すことができるため、おそらく最も多い仕組みなのではと考えられます。

ですが、この仕組みには「穴」があり、踏み板を人力で踏みおろしてしまうと出庫できてしまうのです。この仕組みを悪用して不正利用を続ける人が後をたちません。ですが、コインパーキングのオーナーもだまってはいません。不正利用を続けるユーザーを特定するための、「調査機関」のような民間企業があります。また、監視カメラの設置やブザーの設置などで、不正利用を防ぐために必死になっています。発覚し、特定された不正利用者はそのまま訴えられることになります。一時期に同様の手口の不正利用が横行したため、現在ではほぼすべてのパーキングで対策が施されていることでしょう。駐車するためには「費用がかかる」ことは常識です。コインパーキングの不正利用は決して許されることではありません。所定の費用を支払わないような人は、車で出かける資格などはないのです。

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